月を狩る者狩られる者
「今の君は、美しい……美しすぎる……」

体の震えの所為か、声まで震えている。


「君は……貴方は、僕なんかが触れていい人じゃなかったんだ……ごめんなさい……」

そうしてまた「ごめんなさい」と繰り返す。



そんな風にうつむいて呟くクレハは、見た目の歳よりもさらに幼く思えた。


可哀想とか、思ったわけじゃない。

でも、私は無意識にクレハの柔らかな髪を撫でていた。

初めこそガタガタと震えていたクレハだけど、私の行為に次第に落ち着いていく。

「っ貴方を僕のものにしようなんて……なんておこがましい……」

そう呟いたクレハは、悔いるように涙を流していた……。

 
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