月を狩る者狩られる者

「死ねぇ!」

そう叫んだコトハは、渾身の一撃を繰り出してきた。


私は、カウンターでその鳩尾(みぞおち)に拳を入れる。


その一撃で、勝負は決まった……。


数歩たたらを踏んだコトハはそのまま床に倒れこむ。

倒れ伏さない様に手をつき上体を支えるのが精一杯のようだった。


「何故……? 何故元人間のお前ごときがこれほどの力を持っているというの!?」

その体勢のまま、コトハは声をしぼり出す様に叫んだ。


その問いに答えたのは私ではなく……。

「俺の血を飲んだからな……」

朔夜だった。
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