月を狩る者狩られる者

「朔夜!?」

私は朔夜の名を呼びながら声の方を見る。

まだ上手く体が動かないのか、ぎこちなくこっちに歩いて来ていた。

私の肩に腕を置き、それを支えのようにして立ち止まる。


「大丈夫なの?」

「大丈夫だ。痛いわけでも苦しいわけでもないからな」

朔夜はそう言って私の額に口付けた。

よくやった、とねぎらう様に。


そんな私達にコトハは呆然と問いかけてきた。

「朔夜の血を……飲んだ?」

その声にコトハを見ると、信じられないといった風に目を見開いていた。
< 392 / 421 >

この作品をシェア

pagetop