月を狩る者狩られる者
「は? それで朔夜がいないの?」


既に喫茶店にいた沙里さんが見当たらない朔夜に気付き、私がその説明をするとそんな質問が返って来た。


「はい……」

「全く、あんなことがあった後だって言うのに。望さんを一人にするなんて」

と沙里さんは呆れのため息をついた。


そして私を元気付けるように微笑む。

「大丈夫よ。そんなに離れた所に行ったわけじゃないんでしょう? だったら何かあってもすぐ分かるわ」


朔夜が言った言葉と同じように励まされたけど、私の不安は消えなかった。

「ほら、元気出して。朔夜が戻ってくる前に報告終わらせちゃいましょ?」

「……はい」
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