月を狩る者狩られる者

「朔夜!」

私は思わずその体に抱きついた。

公衆の面前で恥ずかしいとか、そんなこと思いもせずに。



良かった……ちゃんと、戻ってきた。




ホッと息をつくと、朔夜は私の腰に腕を回し抱き返してくれた。


そんな私達を見て沙里さんが呆れたように言う。

「バカね、朔夜。望さん一人にしちゃ駄目じゃない」

「……」

朔夜は何も答えなかった。


「もう私の用は終わったから一緒に帰りなさいよ。しばらく貴方達、ずっと引っ付いてた方が良さそうだし」

少し冗談交じりの沙里さんの言葉に、朔夜は今度は「ああ」と一言だけ答える。
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