月を狩る者狩られる者

その瞳が瞼で隠されるのと同時に、私の唇が奪われた。


「んんっ!」

抗議しようとしたけれど声なんか出るわけがない。

それどころか押さえつける力が増すばかり。




怖い!



闇夜の中でも際立ったあの美しさがあるわけでもない。

キスだって、乱暴だけれど何処か優しいのは変わらない。


それでも恐怖を感じた。

それはつまり、身の危険が迫っている警告――。
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