あやまち
顔を洗ったり、シャワーを浴びたりするときに、鏡で顔を見ることはあったけれど、痩せたと感じたことはない。


普段は出掛ける前に、必ずと言っていいほど、全身鏡で自分のファッションをチェックしていたけれど、この三週間はチェックする気にもなれなかった。


ずっと自分の全身を見ていないけれど、そんなに痩せたのかな。


何となく、手でウエストや太股辺りを撫でるようにして触ってみるけれど、いまいちわからない。


そんなあたしを見ながら、麻希はさらに言葉を繋ぐ。



「一昨日、ショッピングに誘ったときも、悠亜、翔太に対して怯えた表情をしてた。……ねぇ、翔太に何をされてるの?」



麻希からそう言われて……


あたしが苦痛に感じていたことに、気付いてくれたことで……


気持ちが凄く楽になったのか、あり得ないほどの大粒の涙がぽろぽろと溢れてきた。



「麻、希っ…」



そう言って、そのまま隣に座る麻希の胸に顔を埋めてしまった。

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