あやまち
「ごめんな」


「えっ」



さっきと同様、聞き取れるかわからないくらいの小さな声が耳に届いた。



「麻希から、全部、聞いたんだろ?」


「……」



何も応えないあたしを見て、それが肯定を意味するとわかったのか、翔太は眉を下げながら苦笑した。



「とりあえず、シャワーを浴びてから話そうか」



そう言った翔太は、残っていた服を全て脱いで……



「無理に一緒に入らなくてもいいからな」



そう言って、そのままバスルームのドアを開けて、入っていった。



ガチャリとドアの閉まる音を聞きながらも、流れ始めた涙が止まらなくて……


でも、今の翔太となら一緒にいたいと思って、あたしも服を脱いでバスルームに入った。

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