あやまち
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二人でシャワーを浴びたあと、いつものように隣り合ってソファーに座った。



今日ここへ帰ってきてからの翔太は、昨日までとはほんとに別人で。


といっても、あの旅行へ行くまでの翔太とは、少しも変わらない。


この三週間の翔太が、いつもと違いすぎたんだ。



グラスに口をつけて、ゴクゴクとお茶を飲んでいる様をちらりと盗み見る。



『シャワーを浴びてから話そうか』



そう言ったときの翔太は、眉を下げて、凄く悲しそうな表情をしていた。


あたしが麻希から話を聞いたことも知ってるみたいだったし……


やっぱり、あの嘘から始まった……あたし達のことを話すのかな。


そう思うと、胸が痛くなってきた。


今の自分の気持ちはよくわからないけれど、翔太のことは本気で好きだったから、翔太の口から真実を聞くのは辛くなりそうで怖いんだ。

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