あやまち
「俺、あん時、悠亜に一目惚れしたんだ」


「えっ」



今まで、翔太とはいろんな話をしてきたのに、あたしを好きになってくれた瞬間の話は、今初めて聞いたことに気付いた。



「それからは、ことあるごとに渉を使って悠亜に会いに来た。まあ、そのうち四人でいることが当たり前になってたけどな」



確かに……


最初はたまーにしか顔を出さなかった翔太が、いつの間にか集まる度に一緒にいるようになっていた。



「たぶんその頃から、渉には気付かれていたんだと思う」


「えっ」



渉に気付かれていた?


何の話?


訳がわからなくて首を傾げると、そんなあたしを見て翔太はまた口を開く。



「俺が悠亜を好きだってこと」
< 141 / 220 >

この作品をシェア

pagetop