薬指の約束
「それで、メアド教えたの?もな」


「うん…」



アドレスを教えたあと依緒ちゃんが来て、
そのまま近くのファミレスに入って、さっきの出来事を話した。




「もな、モテモテじゃん。

いいなぁー」


依緒ちゃんはこう言うけれど、
実は、依緒ちゃんはとっても可愛くて、とってもモテる。




あたしなんかが隣歩いてるの、恥ずかしいくらい。


こないだだって、依緒ちゃんと並んで廊下を歩いていたら、
すれ違いざまに男の子が


「あれが水瀬さんか」
「めっちゃ可愛いじゃん」

って言っているのをあたしは聞いた。



「でも、

その人たち、あんまりいい噂聞かないよ?」

「え?」



「だって、今学校で一番荒れてるグループの人たちじゃん?

授業中も抜け出して、騒いでるし…


今日だって、2限目うるさかったじゃん?
あれ、吹田先輩たちが騒いでたかららしいよ」



先輩たちの圧力というか、威力に負けて、

連絡取らなければ大丈夫だと思って仕方なくアドレス教えちゃったけど。




「教えない方がよかったかな」


なんて、今更後悔。
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