薬指の約束
【送信者:吹田先輩

本文:先週公開になった映画のチケット、ツレに貰ったんだけど
一緒に観に行こーよ】



デート(?)のお誘い…。

けど、あたしこの映画観たかったんだよね。




プルル…プルル…


『もしもーし?』


「あ、依緒ちゃん?萌那実だけど…

今、いいかな?」


返事に困ったあたしは、依緒ちゃんに電話をかけた。




『いいよ、どうしたの?』


「あのね、吹田先輩に映画に誘われたの。

それで、あたしその映画前から観たいなって思ってて…」



『そっかぁ。
もなが観たいなら行ってもいいと思うよ?

それに、もしかしたら本当にいい人かもしれないしね』



「そ、そうだね。

じゃああたし行くことにするね」



『うん。

でも、もし何かあったらすぐ連絡してね』



「ありがとう、依緒ちゃん。


じゃあ、また明日ね」



『うん、また明日』




そう言って電話を切ってから、あたしは吹田先輩に初めてメールを返した。
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