薬指の約束
土曜日。



「萌那実ちゃーん!
ごめん、遅れちゃって」



吹田先輩は待ち合わせ場所とした駅前に、
約束の時間より30分遅れてきた。



「いえ、大丈夫です」



謝っているが、申し訳なさそうな表情を見せない吹田先輩に

少しイラッとしたけれど、
それを抑えてあたしは笑顔で答えた。



「じゃ、行こうか」


「あ、はい」








そして約2時間上映の映画は終わり、
あたしたちは近くの公園に入った。



「萌那実ちゃん、喉乾かない?」


「いえ、大丈夫です」


「んじゃ、俺喉乾いたから、何か買ってくるわ」


そう言って、吹田先輩は自販機の方へ走って行った。




「ごめん、おまたせ」

~♪~♪~♪~♪~♪~♪


戻ってくると同時に、吹田先輩の携帯が鳴った。




「おう、お前かー」
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