その瞳で見つめて~恋心~【完】
「ん」

かけ声に合わせて手を挙げたのは、進藤君だった。


えっ、進藤君……!?


「あー……。進藤かぁ」

「じゃあ、進藤。命令して」

ショックを受ける声が聞こえながらも、ゲームは次へ……次へ……と進行される。


「2番と6番がキスする、とか?」

「おっ、いーね! 2番と6番、だぁれだー?」

ウソ……6番だよ、あたし……!
どうしよう!


あたしがあわてふためている最中にも、みんなが命令された数字の人物を探る。


「2番は蓮夜か。6番は?」

2番の人はあたしがさっきまで話してた人らしい。


れ、蓮夜君だったら、大丈夫かも……。


王様の命令は絶対なんだし、ここはとりあえず手を挙げたほうがいいだろう。


「はい……」

あたしはおずおずと挙手した。


「えぇっ!? 水嶋さんかよ!」

男の子たちが皆驚いて、一斉にあたしを見る。


「水嶋さんかぁ。俺でごめんな」

「あ、ううんっ……。大丈夫だよ」

蓮夜君の顔が徐に近づいてきて、心音が大きく脈打つのが速い。


わわっ……。
好きじゃない人とキスするなんて……!
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