その瞳で見つめて~恋心~【完】
「じゃあねー」
16時に始まった合コンは18時まで及んで、ようやく終わりを告げた。
みんな、男女のペアを組んで、各々帰っていく。
「ねえ、水嶋さん。一緒に帰らない?」
「え? あ……、蓮夜君」
それぞれ男女一組で帰宅する様子をしばらく見つめていると、蓮夜君が共に帰ろうと誘ってくる。
彼が悪い人ではないことはわかっているので、一緒に帰ることに抵抗はなかった。
けれども、蓮夜君はあたしと同じ住所なのかが不明だ。
もし、あたしとは所在が違うのなら迷惑だと思ったので、彼にどこに住んでいるのかを尋ねてみることにした。
「蓮夜君って、どこに住んでるの? あたし、2丁目なんだけど……」
「おっ、奇遇だな。俺も、2丁目」
「えっ。あ……そうなんだ」
「それに、合コンの後は男が女の子を送らなきゃいけない暗黙のルールもあるし」
「そうなんだ」
「そ。判ってくれた?」
「うん」
蓮夜君は微笑を浮かべながら、首を傾ける。
あたしは彼の問いに肯いた。
「じゃあ、帰ろっか?」
「お、お願いします」