その瞳で見つめて~恋心~【完】
「え?」
するとあたしの前を歩いていた進藤君の足が止まって、あたしに振り返る。
目が合うと、進藤君はにっこりと目を細めて笑った。
思わず、その笑顔にドキッと鼓動が高鳴った。
「だから、ね? ──水嶋さんは俺だけのモノってこと」
進藤君は通常の声より低くして、つぶやいた。
初めて聞いた彼の物言いに、自分の顔が熱くなったことがすぐに実感できた。
その様子を見て、進藤君は近寄ってきて、歯を見せて笑う。
「その素直な水嶋さんが、俺はだーい好きだよ?」
チュッと左頬にキスを落とされる。
一瞬、何をされたのかがわからなくて、その場に突っ立っていた。
「さーてと。授業に戻ろっか」
進藤君はくるりと方向転換をして、歩き出した。
あたしは、進藤君の大きな背中を見つめていた。
ああして意地悪な進藤君だが、優しくて、見せてくれる笑顔が好きだ。
そういえば、進藤君はどうしてあたしのことを好きになったのかを聞いたことがない。
理由を知りたい。
しかし、今はその進藤君が遠く見えて、訊くことができなかった。
するとあたしの前を歩いていた進藤君の足が止まって、あたしに振り返る。
目が合うと、進藤君はにっこりと目を細めて笑った。
思わず、その笑顔にドキッと鼓動が高鳴った。
「だから、ね? ──水嶋さんは俺だけのモノってこと」
進藤君は通常の声より低くして、つぶやいた。
初めて聞いた彼の物言いに、自分の顔が熱くなったことがすぐに実感できた。
その様子を見て、進藤君は近寄ってきて、歯を見せて笑う。
「その素直な水嶋さんが、俺はだーい好きだよ?」
チュッと左頬にキスを落とされる。
一瞬、何をされたのかがわからなくて、その場に突っ立っていた。
「さーてと。授業に戻ろっか」
進藤君はくるりと方向転換をして、歩き出した。
あたしは、進藤君の大きな背中を見つめていた。
ああして意地悪な進藤君だが、優しくて、見せてくれる笑顔が好きだ。
そういえば、進藤君はどうしてあたしのことを好きになったのかを聞いたことがない。
理由を知りたい。
しかし、今はその進藤君が遠く見えて、訊くことができなかった。