刹那音
「梓はさぁ、いるの?」

さっき梓に渡されたチョコレートを見ながらきく。


「何が?」

「好きな人」


梓は一瞬黙った。

そしてすぐに「いきなりびっくりするじゃん」と笑い出した。


「んー…いる、のかなぁ」

「曖昧なんだね」

「うん…ちょっとね、あはは」


< 73 / 161 >

この作品をシェア

pagetop