光~彼との夏物語~
「まだ寝てたの?早く着替えておいで、もう許可は出てるから。」
やっぱり許可は出てるんだ。
どうやったんだろう…
あたしが小さく返事をすると圭は部屋を出ていった。
何処で待っているかも言わずに行ってしまった。
まぁそこらへんにいるだろう…
「はぁ…」
あたしはため息をつくとベッドから降り、立ち上がった。
頭が重い。
寝過ぎたというわけでもないのに。
用意しなきゃ…
圭が待ってる。
あたしは今日から夏の間預かられるんだ。
圭は…
そのとき夢で見た男の子の笑顔が頭を横切った。
歯を見せて無邪気に笑う男の子。
似てる…?
いや、気のせいか。
あたしは軽く頭を振ると、多くはないあたしの服をバッグに入れ始めた。