白いジャージ8~先生と熱い想い~
「ちょっと挨拶してくる」
私は先生の元へ走った。
どうしてもお礼が言いたい人がいた。
水谷先生。
いろいろあったけど、水谷先生に私は助けられたから。
赤ちゃんが天国にいってしまった時、救いの手を差し伸べてくれたから。
“赤ちゃんは忘れ物を取りに行ったんだよ”
あの言葉は、永遠に私を支えてくれる。
「あのっ!!水谷先生」
「あ、矢沢さんだ~!あ、今は新垣さんか。久しぶりだね」
焼きそばを頬張った先生はびっくりした顔で私を見ていた。
「お、直ちゃんだね」
と喜多先生も笑顔を向けてくれた。
「お久しぶりです。いつも主人がお世話になっています・・・・・・なんて、恥ずかしいですけど」
慣れない挨拶に、まだ戸惑ってしまう。
「かわいいなぁ。新垣先生達は、いつまでもこのままでいて欲しいよ」
「そうよね。本当に仲良し夫婦だもんね」
水谷先生はそう言って、私の肩に手を乗せた。
「あの時は、本当にありがとうございました。お電話でお話できて、すごく心が楽になりました」
「ううん。本当に辛かったと思うけど、まだまだこれからだから。焦らないでのんびり、ね」
水谷先生に嫉妬していた自分が恥ずかしくなっちゃう。
「直、焼きそば食えよ」
先生はそう言って、唇のソースをなめた。
覚えてるよね、ちゃんと。
先生も。
忘れないよね。
うん。
同じ思い出をずっと心の中で大事にしていこうね。
「焼きそば食べてくるね」
私はみんなの元に戻って、ゆかりと焼きそばを食べた。