IMITATION LOVELESS -Remember-


刹那は少し疑いの目で憐を見つめる。
優夜の事を心配している瞳でもあった。


「…スキ 一番好きな紅茶」

「…そうか」


刹那はため息をついたあと、優夜が用意していたお茶請けを憐に差し出した。


「俺達は ここ 二、三年間くらいの記憶が飛んでるんだ、何かと勘違いすることも珍しくないんだ…」


刹那は寂しげな笑顔で憐の頭を優しく撫でる。


「ただ…、」

「…?」


刹那が目を伏せて 遠慮がちな口調で囁いた。


「アンタと会ったときから…何か大切なモノを忘れている気がしているんだ…」


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