IMITATION LOVELESS -Remember-
刹那は憐の頬に指を滑らせる。
微かに反応を見せる憐の小さな肩を抱き締める。
「……刹那?」
「…堪らなく、アンタが愛しく思う……、」
「刹那…?」
刹那の言葉に憐は首を傾げた。
記憶が無いはずの刹那の呟きは憐の思考回路を止めてしまった。
そんな憐の頭を優夜が撫でてきた。
「ズルい、俺だって、憐が……スキ、」
優夜が囁きながら憐の背中に密着するように抱き着いてきた。
温度の違う温もりが身体中に感じる憐は微かに震えながら、愛しい名前を呟いた。
「優夜…、刹那…」
「なぁに…?」
「なんだ…?」
二人は優しく答えてくれた。