暴走族の秘密の姫君
「でも、僕たちが幹部だって知ってんのってさ…少ししかいないでしょ?
もし、ここで出て行ったら…ばれちゃうじゃん…」
そう心配したのは理央。
確かにその心配はもっともだ。
ここで出て行ったらきっとばれてしまう。
「俺は…良いと思う。
クラスの友達一人守れないで…俺たちが守ろうとしてるもん全部守れるわけ…ないだろ?」
そう言ったのはこの中のリーダーのような蛍。
蛍のその言葉にみんなが顔を上げ始める。
「良いよ、やってやろうじゃない!」
そう言って鏡花が走り出した。
全員がそのあとに続く。よし、紫ちゃんをいじめのターゲットにすることは絶対にさせない。
そうきめて俺は一緒になって時計塔の裏へと走り出した。
―伊織side end