暴走族の秘密の姫君


声がしたほうを見てみると、あの5人がみんなそろって私のほうへ寄ってきていた。



「っていうかさぁ、いじめなんて趣味悪いと思うんだよね~」


髪の毛をくるくると巻いた女の子が口を開く。


「すぐにここから立ち去りなさい。


じゃないと、先生に言うわよ?」



その子が引き続き言葉を放つ。


かなりの目力とその口調から、完全に高槻側の女子が威勢をなくしている。



高槻がみんなにアイコンタクトをとると、女子たちは時計塔の裏から居なくなった。




「さてさて…紫ちゃんだっけ?私たちが来てよかったね!そうじゃなきゃ今頃どうなっていたか…」


< 25 / 99 >

この作品をシェア

pagetop