暴走族の秘密の姫君
声がしたほうを見てみると、あの5人がみんなそろって私のほうへ寄ってきていた。
「っていうかさぁ、いじめなんて趣味悪いと思うんだよね~」
髪の毛をくるくると巻いた女の子が口を開く。
「すぐにここから立ち去りなさい。
じゃないと、先生に言うわよ?」
その子が引き続き言葉を放つ。
かなりの目力とその口調から、完全に高槻側の女子が威勢をなくしている。
高槻がみんなにアイコンタクトをとると、女子たちは時計塔の裏から居なくなった。
「さてさて…紫ちゃんだっけ?私たちが来てよかったね!そうじゃなきゃ今頃どうなっていたか…」