暴走族の秘密の姫君
鈴木さんが口を開く。
…私たちが来てよかった?
…バカらしい。
「確かに…。あの女子の量じゃ勝てるもんも勝てなぇよな」
一人の男子がけらけらと笑いながら話す。
「あたしたちがこれだけの権力を持ってるから、なせる技だけど?」
さっきのくるくる髪の女の子が男子に同調する。
私なら、大丈夫だった。
あの数にでも、私の力なら絶対に勝てた。
そんなことで悶々としていると、鈴木君が声をかけていた。
「…紫ちゃん?なんか…大丈夫?」
その言葉にハッとする。