暴走族の秘密の姫君
「良いけど…女子のお前が男子に勝てるとでも思ってる?」
そうだそうだー、というヤジの声が聞こえてくる。
そして女子からは心配そうな視線が向けられているのが分かる。
「勝てるか勝てないかなんて問題じゃないし。藍華のこと…忘れられるなら、殴り合いだって、なんだっていいの」
そう、勝敗なんてどっちでも構わない。
ただ、藍華と私を比べたこの男子がむかつくってだけ。
「そうか。じゃあ…放課後にでもやろうぜ!まぁ、せいぜい怪我でもしないようにがんばれよ」
その言葉で騒然となった昼休みに終止符がうたれた。
…さて、私は体の調子を整えて放課後に備えようかな…。