暴走族の秘密の姫君
「お姉ちゃん、これあげる!」
そう笑って言ってきたのは藍華。
その手には何か四角いものが握られていた。
「…何これ?」
私がそう尋ねると藍華は笑って、爆弾を落とした。
「うーんと、簡単にいえば私の家と通帳?使っていいよ」
…はぁ?
私もお兄ちゃんも怪訝そうな顔をする。
「い…家?」
一応確認のためにそう尋ねてみる。
…家って、普通に住む家だよね…。
「そう、私の家。私のピアノとかが置いてあるの。私の避難場所っていえば分かる?」
…あぁ、そう私とお兄ちゃんは言葉を漏らす。