暴走族の秘密の姫君


藍華の言葉は突然で、でも力強くて。


その言葉に私はすんなりと従った。


それを見て藍華がたち、ドアに向かって歩いて行った。



そして、私とお兄ちゃんに向かってウィンクすると、そのまま部屋から顔をのぞかせた。



「藍華!紫の部屋なんかで何やってるの?!」


…お母さんだ。

藍華はお母さんが来たことに気づいて私にそんなことを言ったんだ。


「別に、なんでもないよ。ただ、お姉ちゃんこの家出てくんでしょ?それで、お兄ちゃんがお姉ちゃんの部屋に入ったからそれを呼び戻しただけ」



「…そう、それならいいのよ」


それで、藍華とお母さんの会話は終わったらしい。


お母さんの中で私と藍華の仲は悪いことになってる。



そして、藍華の後ろのドアを開けて私の部屋に入ってきた。


「紫」


「はい、今行きます」


私は、お兄ちゃんと藍華とも何も話すことなくこの屋敷を出ていった。


< 54 / 99 >

この作品をシェア

pagetop