暴走族の秘密の姫君


そのほうを振り返ってみると、綺麗な女の人が立っていた。


明るい茶色の髪に派手な顔立ち。

でもその中にも綺麗な感じが備わっていて絶対素ッぴんでも美人なんだろうなというのが見て分かる。




「…月辺と言います」


一応名字だけは名乗っておく。


「…あら、月辺っていうと藍華ちゃんの?」


この人、藍華を知ってるんだ。



「藍華を知ってるんですか?」



私がそう尋ねると、その人はうんうんとうなずいた。


「藍華ちゃんは私の友達なの。っていうか、隣人て言うか…。藍華ちゃんがこのブレスレットつけてるの見たことない?」



そう言って女の人は私にブレスレットを見せてくれる。


…確かにいつも藍華がうれしそうに身につけてたやつだ。


「…おそろいなんですか?」


多分そうだと思い、私は恐る恐るそう聞いてみる。


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