暴走族の秘密の姫君
「零、ならこうしないか。紫さん……だったかの決意が決まってから…それまでゆっくり待つっていうのは」
……勧誘を待ってくれる?
あの戦いの時の印象とはまるで違う優しそうな総長さんだった。
…優しそうっていうより仲間思いなんだろうな。
「…分かりました、総長。紫、あたし…紫の決意が出来るまで待つ。
紫…来年高校受験でしょ?ちゃんと勉強して…良い高校に入ってよ。今族なんかやったら受験も難しくなるから…」
納得したように零はそう言うとあ、撫子は頭良いから別ね、と言って笑った。
そっか…それなら。
「決意が出来たら…私、またここに戻ってくるね。みんながいる、ここに。みんなの倉庫のドアは必ずあけるから」
そう言うと零も撫子も笑った。