暴走族の秘密の姫君


「では、その者のテストを始める。…蛍、お前が相手をしろ」


そういう指示が聞こえてきた。


…誰の声だろう。聞きおぼえがあるようなないような。


そんなことを思っていると、5人は驚いたように私のほうを見ていた。



「蛍を出すんですか?!月辺さんは素人ですよ?」


そう抗議する鈴木さん。


「総長の指示だ。やっていいぞ」


スピーカーの人がそう話し終えると5人はアイコンタクトを取り始めた。



(…どうする?蛍、行くの?)


(しょうがないだろ?総長の指示だ。手加減位する)


納得したのか、私のほうを向くみんな。


「月辺さん、俺が相手。よろしく」


そう言って出てきたのは5人のうちの1人の男の子。


・・・蛍って呼ばれてた人かも。



< 85 / 99 >

この作品をシェア

pagetop