暴走族の秘密の姫君
「では、その者のテストを始める。…蛍、お前が相手をしろ」
そういう指示が聞こえてきた。
…誰の声だろう。聞きおぼえがあるようなないような。
そんなことを思っていると、5人は驚いたように私のほうを見ていた。
「蛍を出すんですか?!月辺さんは素人ですよ?」
そう抗議する鈴木さん。
「総長の指示だ。やっていいぞ」
スピーカーの人がそう話し終えると5人はアイコンタクトを取り始めた。
(…どうする?蛍、行くの?)
(しょうがないだろ?総長の指示だ。手加減位する)
納得したのか、私のほうを向くみんな。
「月辺さん、俺が相手。よろしく」
そう言って出てきたのは5人のうちの1人の男の子。
・・・蛍って呼ばれてた人かも。