暴走族の秘密の姫君
蛍side
喧嘩が始まってしばらくたった。
何回も俺は攻撃を仕掛けている。でも、何をしても…当たらない。
月辺は全部の攻撃をよけている。
俺だって、この族の幹部だ。
少しくらい強いことは自覚している。
多分、ここに居る幹部の中だったら一番強い…はずなんだ。
でも、攻撃が全く通用しない。
よけているだけなのに、強さの気がこっちにまで突き刺さってくる。
俺たちが完全に驚いている所に月辺の声が響いた。
「もうそろそろいいかな?」
その顔は殺気にあふれているけど…笑っているようにも見える。
…ゾワッ。鳥肌が立つ。