暴走族の秘密の姫君
こんなの…総長と戦った時にしか感じなかった。
この気を感じたから…俺は総長についていく気になったんだ。
「返事無いけど…行くよ?」
ふふふ、と笑いながらこっちに向かってくる月辺。
…さっきの回し蹴りは、まぐれだと思ってた。
…まぐれじゃないのか…?
そんなことを考えているひまも無いほど月辺はもうすでに俺の近くまで迫っていた。
ビュッという音と共に放たれた月辺のパンチは目にも止まらい早さでこちらに向かってくる。
「ぐぁっ…!!」
当たった…?!今、ちゃんとよけたはず。
どうして…?!そんなことを考えていると、次の攻撃を仕掛けてきている月辺の姿が見えた。
…ヤバい!そう思った瞬間、俺の耳に届いたのは重たい倉庫のドアを開ける音だった。