暴走族の秘密の姫君

鏡花が指さした方を見ると女の子が立っていた。

「…え?鏡花…?」


あー…と言って鏡花が困ったような顔をした。

「ごめん、紫。そいつ、男なのよね。」

…男?!

下手したら普通の女の子より可愛い顔してるよ…?


「こいつの家って歌舞伎の一族なの。ほら、女形っていうの?」


そういうことか。
やっと納得出来た。

そんなことを考えていると男の子が口を開いた。
「僕の名前は都築理央(Tsuduki Rio)。よろしくね、月辺ちゃん」


あれ、なんか不機嫌?

試しに聞いてみよう。

「理央君、なんか怒ってる?」

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