運命の、その場所で

少し睨み付けてやる。

するとそんな私に気付いてか、笑うのをやめた。



「で…どうしたん?なんで帰らないの?」


そうだ…こんな事してる場合じゃない!!



「かばんが…。」


思い出したら涙が溢れてきた。



「かばん?」


「ないの。」



え?って顔をして、教室を見渡す。

でも、どこにもカバンはない。



「…財布入ってるの?」

「うん。」

「携帯も?」

「うん。」

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