運命の、その場所で

引っ張った手にボールを置いて言う。



「お姉ちゃんからね?ほら、こっち」


ちびっ子のくせに…
すっごい力で私を引っ張って走り出す。




「ちょ…。」



「お姉ちゃん!コッチ~!」



ちびっ子の目は、みんな彼と同じで…笑ってる。


私はハーっとため息をついてから、
元気なちびっ子と同じように元気な声を出した。




「よーし!ホ~ラ!!」



思いっきり振りかぶって投げたボールは、
全然違う所に飛んで行ってしまった。



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