寂しがりやの猫
そのまま

田村は 連絡をくれなくなった。

寂しくて 胸が潰れそうだったけれど、毎日を忙しくすることで 何とか誤魔化した。

社長には きちんと断りを入れて、自分なりにケジメをつけ、もう食事に誘われても行かないことに決めた。

その代わり 大勢が集まる飲み会には 毎回参加して 寂しさを紛らした。

大勢で居ても ひとりの気がする。

笑っていても 泣いてる気がする。

今までも失恋の経験は あったけれど、こんな風に躰が半分になってしまうような辛さは初めてだった。
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