Mary's Boy Child ―お父さんとお母さんはねこになった―
プレゼントを確かめ合った後は、「食事にでも行きましょうか」「そうですね」と、その後の予定を口にしながら噴水を去った。
小人が仕草でついて行こうと言うものだから、仙太郎はパタパタと足音を立てて若かりしおれ達の後を追うことに。
当然おれ達もついて行くわけだけど…。
「頼子さん。パスタが良いですか? 一応、色々と店は調べてきたのですが」
「真樹夫さんのお好きなところで」
「え、いや…、おれは頼子さんの好きなところが良いかと」
「困ったわ。わたしもなんですよ」
なんだこの、居た堪れないB級恋愛ドラマは。
譲り合って頬を染めるなんて、視聴率の悪そうな恋愛ドラマを見ている気分になる。
『小っ恥ずかしい奴だな』『貴方もでしょ』
お互いに呻いていると、
「昔のお父さんとお母さん、ラブラブだね」
ニコッと仙太郎に笑みを向けられた。
よっておれ達は更なる羞恥を抱くことになる。
ほんっと今の本人達が顔を顰めてしまうほどのラブラブっぷりだ。
息子の前でラブラブだなんて、恥ずかしい奴等だと舌打ちをかましたくなる。