俺のシンデレラになってくれ!

そう言いながら視線をそらすと、篤はパソコンに手を伸ばした。


DVD出すためだってことはすぐにわかったけど、何となく、ごまかされたみたいで面白くない。



身を乗り出した形になった篤を眺めながら、あたしは後ろの壁に背中を預けた。



ずっと同じ格好でいたからか、足が妙に重たい。


膝を立ててさすったふくらはぎから重たさが実感できて、少し気持ちが悪い気もする。



「美砂、次はさ……」



そう言いながら、DVDをケースに戻す篤が、くるっと振り返った。



「何? シンデレラってまだいるの?」



足に手を当てたまま溜息混じりに顔を上げたあたしから、篤がぐいっと視線を逸らす。


質問に答えないでいきなり黙り込むってどういうことだ。


DVDのケースをがちゃがちゃ鳴らす音だけが響いてるのは、少し落ち着かない。



「美砂、とりあえずさ……足を元に戻して欲しいってゆーか……」


「……っ!」
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