苦く甘い恋をする。
その状況に苦笑しながら、長谷川くんは私を抱えるように外に誘った。


「どうして、かな。
おまえ見てると……。
無性に抱きしめたくなる時がある」


「……えっ? 何ソレ」


会議室へと続く道を、長谷川くんはゆっくり歩く。


「嫌いなのに、気になって。
気になるクセに、やっぱり嫌いで」


「……は?
ソレ、告ってる? 
それとも、ケンカをふっかけてる?」


「普通だと思うのに、可愛く見える時もあって。
可愛く見えた次の瞬間、また、普通だとも思う」


「…………。
ソレ、褒めてるの? 貶してるの?」
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