苦く甘い恋をする。
……なんて、恥ずかしくて愛海には言えない。


おまけに、朝起きたら置き手紙だけ残して、アイツはもういなくなっていたとか。


そんなこと、恥ずかしく口が裂けても愛海には言えない。


だから、私は嘘をついた。


「別に。普通に駅まで送ってもらっただけだよ」……と。


ここで下手に嘘をついて、ヤッてないってバレたときに恥ずかしいし、ヤッたと言えば、それはきっと同期中に広まって……。


嫉妬した新藤くんが、私に何かするのも怖かったから。
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