苦く甘い恋をする。
そんな私に愛海は言った。


「ある意味うらやましいなぁ、美姫」


「え?」


怪訝な顔で聞き返す私。


「だって、征ってさ、遊びはOKのクセに、本命はパスなんでしょ?
征のこと嫌いなら、美姫は征にハマって泣くこともないんだも~ん。
うらやましいよ~。
……ってか、マズ!! 時間ないっ!!」


慌ててメイク道具をしまいながら、愛海はぼやく。


「征、好きな女がいるんだって。
だから、誰にもハマらない。
……ってか、どんな女なんだろ~。超羨ましい~!!」
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