Signs Of Love【クリスマス短編】
「ほら、ここまた社長の名前間違ってるぞ」
だけど、あたしの焦った様子なんか気にする素振りもなく、先輩があたしに見せてくれたのは、あたしがさっき必死に仕上げた新年特大号の最終原稿。
先輩が指さす箇所を確認してみれば。
「あ、ホントだ」
また、やちゃった…
「ホントだ!じゃ、なくて。差し替えしておけよ?あとはそれでオッケーだ」
「はーい」
そう返事して、先輩が差し出した原稿を受け取ろうとしたあたしの手に。
ピタ。
不意に先輩の手が触れて。
予期しない嬉しいような恥ずかしいようなアクシデントに。
先輩とあたしの視線が絡む。
ドッキン
高鳴った心臓の音を合図に体が固まって。
バサバサ。
原稿が床に散らばった。