Signs Of Love【クリスマス短編】
もともと、あたしと三崎先輩は同じ高校でサッカー部に所属していた。
キャプテンとマネージャー。
2学年上の先輩とは、引退までの半年くらい一緒だっただけだけど。
その頃のクセが抜けなくて、あたしは未だに三崎さんを“先輩”って呼び続けている。
整った顔立ちとサッカーの上手さで、すごく女の子にモテてた先輩。
でも、そういうの鼻にかけることもなかったし。
責任感が強くて気配りができて、気さくな先輩は男子からも好かれていた。
もちろん、あたしもそんな先輩に憧れてたんだけど。
でも。
毎日部活が終わった後に、一緒にお茶を飲みながら部活日誌つけて。
それだけで、ドキドキする人。
「果歩のお茶、美味いよな」
そう言ってもらえるだけで、天にも昇っちゃいそうなくらい嬉しい気持ちにさせてくれる人。
だから。
告白とか。
付き合うとか。
恐れ多くて、考えたこともなかったし。
ただ見ているだけの、淡い恋心だった。
先輩が高校を卒業した後はもう会うこともなくなって。
ホントにたまに思い出すくらいだった。