Signs Of Love【クリスマス短編】


「わかった…」



先輩の低い声が聞こえて。


すぐそばにあった先輩の体がフッ…と離れる。



不思議だね…



先輩が離れて、あたしの周りの温度が何度か下がったみたいに急に寒くなる。



先輩がミーティングルームを出る。



バタン…って、閉まったドアの音で視界が涙で滲みだす。



でも、まだ泣いちゃダメ。


こんな静かなオフィスじゃ泣き声が響いちゃうから。


漏れ出しそうな嗚咽を飲み込むようにグッとこらえる。


そして、廊下の奥の方から、エレベーターのドアが閉まるのがわかって。


ウィーン…って、動き出した音を聞いた途端。



我慢してた涙は一気に溢れて。



あたしは声をあげて泣いていた――…




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