Signs Of Love【クリスマス短編】


「俺は果歩を抱いてないよ」



先輩の言葉にカア…って顔が火照りだす。



抱く、とか。



抱かない、とか。



あたしと先輩には一生無縁の、絶対にすることのない会話だって思ってたから。



暗いから赤い顔は見えないにしても、きっと、あたしの頬に触れる指先にこの熱は伝わってるよね?



「じゃ、じゃあ、責任って…?」



抱いてないのなら、先輩に何の責任があるっていうの?



恥ずかしさの中、疑問を口にすると。




「責任を取るのは、俺じゃなくて、果歩だよ…」



先輩の声と息が耳元を掠める、



その声はどこか、切なそうにも聞こえて。



気付くと、体を引き寄せられるように抱きしめられていた――…




< 56 / 66 >

この作品をシェア

pagetop