Signs Of Love【クリスマス短編】
「俺は果歩を抱いてないよ」
先輩の言葉にカア…って顔が火照りだす。
抱く、とか。
抱かない、とか。
あたしと先輩には一生無縁の、絶対にすることのない会話だって思ってたから。
暗いから赤い顔は見えないにしても、きっと、あたしの頬に触れる指先にこの熱は伝わってるよね?
「じゃ、じゃあ、責任って…?」
抱いてないのなら、先輩に何の責任があるっていうの?
恥ずかしさの中、疑問を口にすると。
「責任を取るのは、俺じゃなくて、果歩だよ…」
先輩の声と息が耳元を掠める、
その声はどこか、切なそうにも聞こえて。
気付くと、体を引き寄せられるように抱きしめられていた――…