男友達

清水


 翌日、もやもやは消えないまま仕事に向かう。

 もう週末。今日も卓也は来ないんだろうな。もう、毛布はだしとかなくていい

んだ。なんかそう思うと、寒くなって、もう4月だというのに身震いをした。

 

 卓也が来なくなって2か月が経つ。

 私も早く、彼氏みつけなきゃなあ。なんて漠然と考えていると、後輩の清水が

話しかけてきた。


 「桐島さん、最近元気ないですね。」

 「そう?」

 笑って見せた。

 「ほら、無理に笑ってる。」

 「そんなことないよ。」


 なんでわかるんだろ。


 「今日の夜って、予定ありますか?」

 「え?ないけど…。」

 「あの…ご飯、付き合ってもらえませんか。」

 「え?私?」

 「だめ…ですかね?」


 ちょっとためらったけど、行くことにした。機敏転換だ。このわけのわからな

いもやもやに支配されてからずっと、気分がすぐれない。たまにはいいか。


 「じゃ、仕事の後で」


 そう言うと、清水は走って行った。




 


 
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