同居人の秘密~瞳の魔法に魅せられて~
 陸の背中に手を回し掛けた時、さっき見た結衣さんの、綺麗だけど蒼白な顔を思い出し、その手で陸の体を強く押し返した。


「やめて!」


「秋……?」


「もう、どいてよ!」


 私は陸を押し退け、ベッドから降りた。


「おまえもその気だったんじゃないのか?」


「そんなわけないでしょ? これから出勤なのに……」


 私は、さっきのはずみで床に落としてしまった、結衣さんから渡された赤い包みを拾い上げ、それを陸の顔の前に突き出した。


「あんたにこれを渡しに来ただけよ」


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