ブラウン管の中の彼女
「実早ちゃんはワガママじゃないよ。本当に嫌なら僕が断ればいいんだよ」
会ったら会ったで困るくせに呼び出されたら断れない。
本当にダメな僕…。
「あ"っ―――っ!!」
太一はイライラしたように頭を掻いた。
「お前な…!!そんなんだから利用されるんだよ!!」
さっき僕のノートを写そうとしたのは誰だよっ!!という質問はかろうじて飲み込んだ。
「実早ちゃんはいい子だよ」
僕は太一に向かって微笑んだ。
実早ちゃんは人が本気で嫌がることは絶対しない。
だから僕が本気で嫌って言ったらもう呼び出さないだろう。
だから利用されてる訳じゃないんだ。
利用してもらってる?って言うのかな…?