ブラウン管の中の彼女
「ただいま~」
僕はそう言って自宅の玄関に上がった。
「おかえりー♪」
えっ?
いま返事が聞こえたような…。
僕は一人っ子だから兄弟もいない。
両親は忙しいのにかまかけて家に帰ってこないし…。
まさか…っ!!
嫌な予感がして急いでリビングのドアを開けた。
「実早ちゃん!!」
やっぱり…。
案の定、実早ちゃんはゆったりくつろいでいた。
な、なな、なんで!?
「祐ちゃ~ん♪」
走り寄ってくる実早ちゃんはなんともご機嫌…。
「なんで実早ちゃんが僕の家にいるんだよ!?」
鍵はかけといたのに!!
「祐ちゃんの部屋の窓が開いてたからそこから☆」
実早ちゃんは2階を指差した。
窓から!?