ブラウン管の中の彼女




「ねえ香川ちゃん…」


実早は珍しく真面目な顔をして、スケジュール帳を睨んでいる香川ちゃんの前に正座をした。


「何ですか…?」


香川ちゃんは実早の様子を怪しみながら聞き返す。


「実早って女としての魅力…ない?」


「£%#♀♂%!!」


香川ちゃんは口を金魚のようにパクパクさせながら声にならない叫び声を出した。


「み、みみみ実早さん!?気は確かですか!?」


やっと元の人間に戻ったと思うと開口一番にそう言った。


「どういう意味よ!!」


「だって…あの!!実早さんが!!いつだって嫌なくらい自信過剰な実早さんが!!弱気な発言をするなんてっ!!」


ゴツンッ!!


実早の拳が香川ちゃんの頭に炸裂したのは言うまでもない。



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